フォークロックとは?
フォークロック(Folk Rock)は、アコースティックな「フォーク」と、エレクトリックな「ロック」が融合して生まれたジャンルです。
1960年代半ばのアメリカとイギリスで同時多発的に発生しました。
フォークが持つ「深みのある歌詞やメッセージ性」を、ロックの「力強いビートとエレクトリックな響き」に乗せて歌うことで、それまでの音楽シーンを一変させた画期的なスタイルです。
3つの大きな特徴
フォークロックを象徴する音楽的な要素は以下の通りです。
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12弦エレキギターの響き: 特に初期のフォークロックでは、リッケンバッカーなどの12弦エレキギターによる「ジャカジャカ」という煌びやかで透明感のある音がトレードマークです。
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美しいハーモニー: フォーク由来の澄んだコーラスワーク(合唱)を、ドラムやベースの効いたロックサウンドに重ねるのが一般的です。
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知的で内省的な歌詞: 単なるラブソングだけでなく、社会問題や哲学的な問い、詩的な比喩を多用した歌詞が多く見られます。
フォークロック誕生の歴史的瞬間
| 出来事 | 内容 |
| バーズの登場(1965年) | ザ・バーズがボブ・ディランの『ミスター・タンブリン・マン』をエレキ楽器でカバーし、全米1位を獲得。これがフォークロックの幕開けとされます。 |
| ディランの「電化」 | 同年、フォークの神様ボブ・ディランがニューポート・フォーク・フェスティバルでエレキギターを持って登場。保守的なファンからはブーイングを浴びましたが、これが歴史を動かしました。 |
代表的なアーティスト
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The Byrds(ザ・バーズ): フォークロックのサウンドを確立したパイオニア。
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Bob Dylan(ボブ・ディラン): 自らの楽曲を「電化」することで、フォークロックというジャンルを決定づけた巨人。
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Simon & Garfunkel(サイモン&ガーファンクル): 『サウンド・オブ・サイレンス』のオリジナルに後からドラムやエレキギターを被せたバージョンが大ヒットし、フォークロックの代名詞となりました。
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Neil Young(ニール・ヤング): 繊細なフォークと激しいロックを行き来する、このジャンルの重要人物。
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はっぴいえんど: 日本において、日本語の歌詞をロックのリズムに乗せる「日本語ロック」を確立した、日本のフォークロックの原点。
※フォークロックの誕生は、その後のサイケデリック・ロックやカントリー・ロック、さらには現代のシンガーソングライターのスタイルにまで決定的な影響を与えました。
フォークロックジャンルの邦楽アーティスト一覧です。