「R&B(リズム・アンド・ブルース)」は、アフリカ系アメリカ人の文化を背景に持つ多様な音楽ジャンルです。
その歴史は古く、時代の流行を取り込みながら常に形を変えてきました。現代のあらゆるヒット曲にそのDNAが組み込まれている「現代音楽の母」のようなジャンルです。
R&Bの成り立ち
R&Bは、1940年代のアメリカで誕生した言葉です。「ブルース」「ジャズ」「ゴスペル」が融合して生まれた、リズム感の強いダンスミュージックを指していました。
もともとは「レイス・ミュージック(人種音楽)」と呼ばれていた黒人向けの音楽カテゴリーを、よりポジティブな呼称として「リズム・アンド・ブルース(R&B)」と呼び替えたのが始まりです。
時代ごとの変遷
R&Bは時代によってサウンドが大きく異なります。
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クラシックR&B(1940〜50年代): ピアノやギター、サックスを用いた生演奏が中心。エネルギッシュなリズムが特徴で、後の「ロックンロール」の誕生に決定的な影響を与えました。
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ソウル・ファンク時代(1960〜70年代): 教会の音楽(ゴスペル)の影響を強く受けた情熱的な「ソウル」や、よりリズムのハネを強調した「ファンク」が隆盛を極めました。
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コンテンポラリーR&B(1980年代〜現在): シンセサイザーやドラムマシン(打ち込み)を多用した、都会的で洗練されたスタイル。現代のポップスと非常に近い位置にあります。
音楽的な3つの特徴
R&Bを「R&Bたらしめている」要素は主に以下の3点です。
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圧倒的な歌唱力(メリスマ): 一つの音節をいくつもの音にわたり、うねるように歌い上げる技巧(こぶしのようなもの)が多用されます。感情表現が非常に豊かです。
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心地よいグルーヴ: 「タメ」の効いたリズム感や、思わず腰が揺れるようなベースライン。踊れるけれどもしっとりとした雰囲気も併せ持っています。
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豊かなハーモニー: コーラスワークや複雑なコード進行が重視され、深みのあるサウンドが構築されます。
以下、R&Bジャンルの邦楽アーティスト一覧です。