「ブラック・コンテンポラリー」は、1970年代後半から1990年代前半にかけて流行した、非常に洗練された都会的なR&Bのスタイルを指す言葉です。
アメリカでは「アーバン・コンテンポラリー」と呼ばれることが一般的ですが、日本では「ブラコン」の愛称で親しまれ、当時の日本のポップス(シティ・ポップなど)にも多大な影響を与えました。
ブラック・コンテンポラリーとは?
1970年代までの泥臭く情熱的な「ソウル」や「ファンク」とは対照的に、最新のシンセサイザーや録音技術を駆使して作られた、「おしゃれで、滑らかで、大人っぽい」サウンドが特徴です。
当時は「夜のドライブに合う音楽」の代名詞的存在であり、ラグジュアリーな雰囲気をまとった音楽として世界中で愛されました。
音楽的な3つの特徴
ブラコンを象徴する要素は以下の通りです。
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ハイテクで緻密なサウンド: シンセサイザー、ドラムマシン、デジタルリバーブなどを多用し、クリアで隙のない完璧なアンサンブルを構築します。
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甘く洗練されたボーカル: 荒々しいシャウトではなく、シルクのように滑らかで、かつ高いテクニックに裏打ちされた歌唱が好まれました。
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AORとの親和性: 「AOR(大人向けロック)」やポップスとの境界が曖昧なほどメロディアスで、人種を問わず幅広い層が聴きやすいサウンドに仕上がっています。
ブラック・コンテンポラリーは、現代のR&Bやポップスにおける「洗練された音作り」の基礎を築いた、極めて重要なジャンルです。
日本への影響
80年代の日本では、山下達郎や角松敏生などのアーティストがこのサウンドを積極的に取り入れました。バブル期の都会的なライフスタイルと結びつき、日本の「シティ・ポップ」の形成に決定的な役割を果たしました。