「AOR」は、1970年代後半から1980年代前半にかけてアメリカを中心に流行した、「大人向けの洗練されたロック/ポップス」を指す音楽用語です。
元々は、ヒット狙いのシングルではなく、「Album-Oriented Rock(アルバム全体での完成度を目指したロック)」の略でした。
日本では独自の解釈が進み、「Adult Oriented Rock(大人向けのロック)」として定着しました。都会的で心地よく、高度な演奏技術に裏打ちされたサウンドが特徴です。
主な特徴
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洗練されたアレンジ: ジャズやフュージョン、ソウルの要素を取り入れた、複雑で都会的なコード進行が多用されます。
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クリスタルのような透明感: 「クリスタル・サウンド」とも呼ばれる、クリアで美しい録音状態や、爽快感のあるメロディが魅力です。
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一流ミュージシャンによる演奏: 凄腕のスタジオ・ミュージシャン(TOTOのメンバーなど)がバックを務めることが多く、非常に演奏のクオリティが高いです。
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リゾートやドライブとの相性: 海辺のドライブや夜の街並みに合う、落ち着いた「アーバン(都会的)」な雰囲気を持っています。
日本における「シティ・ポップ」との関係
1970年代から80年代にかけて、日本のアーティストたちがAORのサウンドを吸収し、独自の解釈で作り上げたのが、現在世界的に再評価されている「シティ・ポップ」です。
▼AORジャンルの日本のアーティスト