「シティ・ポップ(City Pop)」は、1970年代後半から1980年代の日本で流行した、都会的で洗練されたポップスを指します。
近年、YouTubeやSNSを通じて世界中で再評価(リバイバル)が起きているジャンルです。
音楽的なルーツとサウンド
シティ・ポップは、アメリカのソフトロック、ジャズ、ファンク、R&Bなどの要素を、日本のポップス(歌謡曲)に融合させて生まれました。
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洗練されたコード進行: ジャズやフュージョンの影響を受けた大人っぽく複雑なメロディラインが特徴です。
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ハイクオリティな演奏: 当時の好景気を背景に、腕利きのスタジオミュージシャンが最新の機材(シンセサイザーなど)を駆使し、非常に高い完成度でレコーディングされました。
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グルーヴ感: 踊れるような心地よいリズム(16ビートなど)が多用されています。
世界観とビジュアル
歌詞やアートワークには、当時の若者が憧れた「都会のライフスタイル」や「リゾート地」の雰囲気が漂っています。
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テーマ: 真夜中の高速道路(ハイウェイ)、都会の夜景、夏の海、プールサイドなど、スタイリッシュな情景が多く描かれます。
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ビジュアル: 永井博や鈴木英人によるイラスト(パームツリーや青い海、車などが描かれたポップな絵)がアルバムジャケットに多用され、その視覚的なイメージもジャンルの象徴となっています。
海外でのブーム
2010年代後半から、海外のDJや若い音楽ファンの間で「発見」され、世界的なブームとなりました。
竹内まりやの「プラスティック・ラブ」や、松原みきの「真夜中のドア〜stay with me」がYouTubeのアルゴリズムによって世界中のリスナーに届いたことがブームの発端となりました。
シティ・ポップの金字塔を打ち立てた山下達郎や大瀧詠一、都会的な哀愁を感じさせる大貫妙子などが、今やカルト的な人気を誇っています。
洋楽の洗練されたエッセンスを日本独自の感性で磨き上げたシティポップは、80年代の都会的な煌めきを詰め込んだことで、時代も国境も超えて愛される音楽となりました。
以下、シティポップアーティストの一覧です。