スピードメタル

スピードメタル(Speed Metal)は、伝統的なヘヴィメタルのメロディや様式美を維持したまま、演奏速度を極限まで速めたジャンルです。

1980年代前半に、ヘヴィメタルがより激しく進化していく過程で生まれた重要なステップであり、後の「スラッシュメタル」や「パワーメタル」の架け橋となりました。

誕生の背景

1970年代末から80年代初頭のイギリスで起こったムーブメント「NWOBHM(アイアン・メイデンなど)」の勢いを受け、さらに速さを追求するバンドが現れました。

「パンク・ロックの疾走感」と「ヘヴィメタルの高度な演奏技術」が合体したことで、それまでにないスリリングな音楽として確立されました。

主な特徴

スピードメタルは、その名の通り「速さ」が最大のアイデンティティです。

  • 高速なリフとビート: ギターの刻みやドラムのビートが極めて速く、前のめりな疾走感があります。

  • ツーバス(ダブル・ベース・ドラム)の多用: ドラムの足元の太鼓(バスドラム)を2つ使い、機関銃のような高速連打を繰り出すスタイルが定着しました。

  • メロディックな要素: 後に生まれる「スラッシュメタル」が攻撃性やノイズを重視したのに対し、スピードメタルは正統派メタルのような「歌えるメロディ」や「美しい旋律」を重視する傾向があります。

  • ハイトーン・ボーカル: 疾走するサウンドに突き抜けるような、澄んだ高音シャウトが多用されます。

「スラッシュメタル」との違い

この2つは非常に近い関係にありますが、一般的に以下のように区別されます。

項目 スピードメタル スラッシュメタル
主な印象 疾走感、華麗、メロディアス 攻撃的、過激、ザクザクした重さ
ボーカル きれいなハイトーンが多い 吐き捨て、ダミ声、叫びが多い
ルーツ 正統派ヘヴィメタルの延長 ハードコア・パンクの影響がより強い

 

1980年代

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