「渋谷系(しぶやけい)」は、1980年代末から1990年代にかけて、東京の渋谷を発信源として流行した音楽・文化のムーブメントです。
特定のジャンルというよりは、当時の若者たちの「ライフスタイル」や「音楽の聴き方」も含めた大きな流れを指します。
街とCDショップから生まれた文化
J-POPの多くがテレビ番組やドラマからヒットしたのに対し、渋谷系はレコードショップ(HMV渋谷やタワーレコード渋谷店など)の店頭から火がつきました。
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情報の中心地: 渋谷のショップ店員が独自の視点でセレクトした輸入盤やインディーズ盤が注目され、それらを好んで聴く層や、その影響を受けたアーティストたちが「渋谷系」と呼ばれるようになりました。
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メディア: 雑誌『オリーブ』やミニコミ誌、ラジオ番組などがその洗練されたイメージを広める役割を果たしました。
「引用」と「再構築」の音楽性
渋谷系の最大の特徴は、過去の膨大な音楽ライブラリから良い部分を抽出して組み合わせる「カット&ペースト(サンプリング)」の手法です。
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ルーツ: 1960年代のフレンチ・ポップ、ボサノヴァ、ジャズ、ソフトロック、ソウル、そして映画音楽など、多種多様なジャンルをミックスしています。
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雰囲気: 都会的でオシャレ、かつどこか懐かしい「レトロ・フューチャー」なサウンドが特徴です。
代表的なアーティスト
ムーブメントの核心には、現在も第一線で活躍する才能豊かなアーティストたちがいました。
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フリッパーズ・ギター: 小山田圭吾と小沢健二によるユニット。渋谷系の決定的なアイコンとなりました。
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ピチカート・ファイヴ: 小西康陽を中心としたユニット。野宮真貴のボーカルと圧倒的なビジュアルセンスで、海外でも高い評価を得ました。
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オリジナル・ラヴ: 田島貴男によるソロプロジェクト。ソウルフルで都会的なサウンドが人気を博しました。