「ブルース(Blues)」は、19世紀末頃にアメリカ南部の歌から生まれた音楽ジャンルです。
アフリカ系アメリカ人の労働歌や霊歌がルーツであり、現代のロック、ジャズ、R&B、ヒップホップなど、あらゆるポピュラー音楽の「根っこ(源流)」といえる存在です。
ブルースの成り立ち
ブルースは、奴隷制度のなかで過酷な労働を強いられていた人々が、その苦しみや切なさ、日々の生活の哀歌を歌ったことから始まりました。
当初はギター1本と歌だけのシンプルなスタイルでしたが、20世紀に入り、アメリカ北部の都市部へ移り住んだミュージシャンたちが電気楽器を取り入れたことで、より力強いサウンドへと進化しました。
音楽的な3つの特徴
ブルースを決定づける要素は、主に以下の3点です。
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12小節(12バー)ブルース: ほとんどの曲が12小節をひと区切りとして繰り返される、決まったコード進行に基づいています。このシンプルさが、自由な即興演奏を可能にしています。
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ブルーノート: 西洋音楽の音階(ドレミ…)にはない、少しだけ音程を下げた独特の音(特に第3音、第5音、第7音)を使います。これがブルース特有の「哀愁」や「渋み」を生み出します。
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コール&レスポンス(呼びかけと応答): 歌(呼びかけ)に対して、ギターなどの楽器が合いの手(応答)を入れる形式が多用されます。まるで楽器と対話しているような構成が魅力です。
ブルースは「悲しい音楽」と思われがちですが、その根底には苦難を乗り越えようとする強さやユーモアも秘められています。
スタイルの変遷
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デルタ・ブルース: ミシシッピ川流域で生まれた初期のスタイル。アコースティック・ギターをかき鳴らす、泥臭く情熱的なサウンドが特徴です。
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シカゴ・ブルース: 戦後、シカゴなどの大都市で発展したスタイル。エレキギターやハーモニカ、ドラムを加えたバンド編成になり、後のロックンロールに直接的な影響を与えました。