ロカビリー(Rockabilly)は、1950年代に誕生した、黒人音楽の「リズム・アンド・ブルース」と白人音楽の「カントリー(ヒルビリー)」が融合した、ロックンロールの最も初期のスタイルの一つです。
誕生の背景
1950年代前半、アメリカ南部のメンフィスにある「サン・レコード」を中心に生まれました。当時、白人の若者が黒人の激しいリズムを奏でることは非常に衝撃的であり、新しいユースカルチャーの象徴となりました。
「ロック(Rock)」と、当時のカントリー音楽を指す「ヒルビリー(Hillbilly)」を掛け合わせて「ロカビリー」と名付けられました。
主な特徴
ロカビリーには、一聴してそれとわかる独特のサウンドとスタイルがあります。
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スラップ・ベース: ウッドベース(コントラバス)の弦を指で弾き、さらに指板に叩きつけることで「カチカチ」という打楽器のような音を出す奏法が基本です。
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スラップバック・エコー: ギターやボーカルに、山びこのような短いディレイ(反響音)をかけます。これがロカビリー特有の「パチャパチャ」とした湿り気のある質感を生みます。
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しゃくり上げるボーカル: 「ヒカップ唱法」と呼ばれる、裏返るような独特の歌い方や、激しいシャウトが特徴です。
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ファッション: リーゼント(ポマードで固めた髪型)、革ジャン、スリムなパンツ、ラバーソールなど、現代の「50s(フィフティーズ)ファッション」のルーツとなっています。
代表的なアーティスト
海外(レジェンドとリバイバル)
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エルヴィス・プレスリー(Elvis Presley): 「ロカビリーの王様」。サン・レコード時代の初期作品は、ロカビリーの教科書的存在です。
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ジーン・ヴィンセント(Gene Vincent): 「ビー・バップ・ア・ルーラ」で知られる、より不良性の強いスタイル。
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エディ・コクラン(Eddie Cochran): 卓越したギター演奏とソングライティングで、後のビートルズらにも多大な影響を与えました。
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ストレイ・キャッツ(Stray Cats): 1980年代にロカビリーを再燃(ネオ・ロカビリー)させた立役者。
日本(1950年代のブームとその後)
日本では1950年代後半に「ロカビリー・ブーム」が起こり、日劇ウエスタン・カーニバルが大盛況となりました。
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ミッキー・カーチス / 平尾昌晃 / 山下敬二郎: 「ロカビリー三人男」と呼ばれ、日本中に熱狂を巻き起こしました。
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THE CHECKERS(チェッカーズ): 初期はロカビリーの要素をふんだんに取り入れたポップ・ロックで一世を風靡しました。
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MAGIC / BLACK CATS: 80年代以降、日本のネオ・ロカビリー・シーンを牽引した伝説的バンドです。
「ロックンロール」との違い
非常によく似ていますが、一般的に以下のように捉えられます。
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ロックンロール: ピアノやサックスを含んだ、より華やかで大人数編成の「ダンス音楽」全般を指すことが多い。
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ロカビリー: ギター、ウッドベース、ドラムという最小限の編成で、よりカントリー色が強く、野性的で「不良っぽい」イメージを指すことが多い。