「エレクトロ・ポップ(Electropop)」は、その名の通り「電子音楽(Electronic)」と「ポップス(Pop)」が融合して生まれたジャンルです。
1970年代後半に登場し、シンセサイザーなどの電子楽器を駆使しながらも、あくまで「親しみやすいポップソング」として成立させているのが特徴です。
音楽的なルーツと誕生
エレクトロ・ポップは、1970年代の実験的な電子音楽(クラフトワークなど)の影響を受け、1980年代初頭のイギリスや日本を中心に爆発的に広まりました。
-
テクノロジーとの融合: それまでは巨大で高価だったシンセサイザーやリズムマシンがコンパクトで安価になり、若いミュージシャンが手に入れられるようになったことが誕生の大きな背景です。
-
ニュー・ウェイヴ: パンク・ロック後の「新しい音楽(ニュー・ウェイヴ)」の一環として、より近未来的で洗練されたサウンドを目指して発展しました。
サウンドの特徴
従来のロックが「ギター・ベース・ドラム」を主体とするのに対し、エレクトロ・ポップは電子音が主役です。
-
無機質でキャッチー: 機械的なビートや人工的な音色を使いつつも、メロディは非常にキャッチーで口ずさみやすいのが特徴です。
-
ウィスパーやオートチューン: 歌声にエフェクトをかけ、人間味をあえて抑えた「ロボットのような質感」を楽しむのもこのジャンルの醍醐味です。
-
ダンスとの相性: リズムマシンによる正確なビートはダンスミュージックとも相性が良く、クラブシーンでも親しまれています。
シンセサイザーやコンピューターで作られた人工的な音色を使いながら、都会的でキャッチーなメロディを歌う、近未来感あふれるポップスと言えます。