ボサノヴァ(Bossa Nova)は、1950年代後半にブラジルのリオデジャネイロで生まれた音楽ジャンルです。ポルトガル語で「新しい(Bossa)傾向・感覚(Nova)」という意味を持ちます。
音楽的なルーツと特徴
ボサノヴァは、ブラジルの伝統的なリズムである「サンバ」と、アメリカの「モダン・ジャズ」が融合して生まれました。
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リズム: 激しいサンバのリズムを簡略化し、都会的で洗練された「8ビート」のような心地よい揺れ(シンコペーション)が特徴です。
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歌い方: 朗々と歌い上げるのではなく、耳元でささやくような「ウィスパーボイス」で歌われます。
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楽器: ナイロン弦のアコースティックギター(クラシックギター)の音色が中心です。これにピアノ、ベース、ドラム(ブラシ奏法など静かなもの)が加わることが一般的です。
「サンバの陽気なリズムを、ジャズのようにおしゃれで落ち着いた雰囲気で演奏する、都会的でリラックスした音楽」と言えます。
世界的な普及
1960年代にアメリカのジャズ・ミュージシャン(スタン・ゲッツなど)が取り入れたことで、世界的なブームとなりました。
特に『イパネマの娘(Garota de Ipanema)』は、世界で最もカバーされた曲の一つとして知られており、ボサノヴァの代名詞的な存在です。
ボサノヴァの巨大市場は日本
ブラジル国外でボサノヴァがもっとも聴かれているのは日本です。本国以上に熱心なファンが多いとも言われています。
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「静」の美学: ささやくように歌う(ウィスパーボイス)スタイルが、日本人の感性にマッチしました。
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中産階級の音楽: ボサノヴァはもともとブラジル都市部の中流階級から生まれた音楽です。日本における中産階級の厚さが多くのリスナー獲得へとつながりました。
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日本語の響きとの相性: ポルトガル語の柔らかい響きは、日本語の音韻とも馴染みがよく、日本語でカバーされた際も違和感が少なかったとされます。
- キーマンの存在: 渡辺貞夫、小野リサといった存在によって、ボサノヴァの魅力が広範囲に伝わりました。