童謡(どうよう)は、子供の純粋な心にふさわしい、芸術性の高い歌を届けようという目的で作られた日本の歌曲です。
大正時代に鈴木三重吉が雑誌『赤い鳥』を創刊し、童謡運動を先導しました。
日本の「童謡」と海外の「子供の歌」
海外にも「子供向けの歌」というジャンルはもちろん存在しますが、日本の「童謡」は「芸術運動として意図的に作られた」という独特の背景があります。
| 項目 | 日本の「童謡」 | 海外の「ナーサリー・ライム」など |
| 成立の背景 | 大正時代の芸術運動(意識的な創作) | 長い年月をかけた口承伝承(自然発生) |
| 主な作者 | 北原白秋、中山晋平などの著名人 | 多くは作者不明(民衆の歌) |
| 音楽的特徴 | 日本の五音階と西洋音楽の融合 | 伝統的なフォークソングや賛美歌の形式 |
| 主な目的 | 子供の豊かな感性を育むこと | 遊び、寝かしつけ、言葉の習得 |
童謡は、単なる「子供向けの歌」を超えた、高い芸術性を持っています。
童歌(わらべうた)・童謡・唱歌の違い
- 童歌(わらべうた):古来より伝承されてきたこどもの遊び歌です。(「かごめかごめ」「花いちもんめ」「ずいずいずっころばし」など)
- 童謡:大正期から昭和初期にかけての芸術運動からはじまっています。(「赤とんぼ」「赤い靴」「お正月」「しゃぼん玉」など)
- 唱歌:明治から昭和にかけての初等教育用の音楽教材です。(「茶摘み」「冬景色」など)
童謡は唱歌に採用されることが多いため、「童謡・唱歌」と合わせて記載されることがよくあります。
現代における童謡
大正から昭和初期に作られた童謡は、今も日本の「原風景」として大切に歌い継がれています。
現代では、テレビ番組(『おかあさんといっしょ』など)から生まれた「こどものうた」などで、新しい楽曲が次々に生まれています。
第一線で活躍するアーティストが子供向けの楽曲に取り組む姿勢は、大正期の童謡運動が受け継がれているといえます。